第35回 島カフェ (2025年5月24日開催)
「農村に向かう若者たち」と島嶼社会の現在
―NPO法人地球緑化センター「緑のふるさと協力隊」の変遷とその意義―
■企画概要:
農村及び農に向かう人々が注目されて久しく、2009年度より始まった「地域おこし協力隊」事業によって、田園回帰の選択肢が都市部に広がりつつあることは、よく知られていよう。「地域おこし協力隊」の隊員数は、2009年89人→2014年1,629人→2019年5,503人→2023年7,200人と年々上昇しており、2026年度の目標は10,000人とされる。島嶼地域の場合は、中山間地域とやや異なる実態もあるとは思う、青ヶ島、海士町、大崎上島、周防大島等で移住者の増加が確認される。
とはいえ、「地域おこし協力隊」以前から、農村に向かう人々は増えていたのであり、農文協『現代農業増刊号』(〜2009年)では「帰農」「グリーン」といった標語で、多様な「田園回帰」を繰り返し報じている。本企画で取り上げる「緑のふるさと協力隊」事業とは、「農山村ボランティア」という特質を備えつつ、1995年より32年間継続する田園回帰の草分け的な事業であり、これまで20〜30歳代の若者を中心として850人程度の隊員が農山村で活動してきた。総務省の審議官であった椎川忍は「『緑のふるさと協力隊』は『地域おこし協力隊』の生みの親」と語っている。
「地域おこし協力隊」との相違点も含め、都市・農村移動の一モデルとしての「緑のふるさと協力隊」の変遷とその特質及び参加者の経験・意識を見直すことは、現代の「移住」に理解を深める重要な機会となるだろう。それにより、現代日本にみる都市・農村移動の多様性を見直すことも可能と考えられる。
■開催日時:
2025年5月24日(土)14:00~16:30
■会場:
順天堂大学 本郷・お茶の水キャンパス 第3教育棟 601教室
https://www.juntendo.ac.jp/about/establish/
■参加方法:
・直接会場にお越しください(事前申込不要)。
・会場参加を基本としますが、オンライン参加も可能です。下記メールアドレスにお申込みください。
「オンライン参加希望の方」のみ事前にお申込みください。
・メールアドレス:noreply(a)islandandcommunity.jp ※(a)を@に変えて送信してください。
・件名:「島カフェ参加」としてください。
・申込締切:5月21日(水)
・オンライン参加の方には、開催日前日までに当学会よりメールにて、「参加URL・パスコード」を送らせていただきます。
■資料代:
500円(*現地参加の方は、会場での配布資料代として500円を頂戴します)
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■報告者:
司会・総説 本多俊貴(拓殖大学准教授、地球緑化センター特別研究員)
全体報告 佐藤幸彦(NPO法人地球緑化センター事務局)
パネル① 2023年度隊員
パネル② 2024年度隊員(zoom)
パネル③ 2024年度隊員(zoom)
■プログラム
14:20 総説 「緑のふるさと協力隊」の変遷と島嶼社会(本多報告)
14:20 NPO法人地球緑化センターの活動と理念(佐藤報告)
14:50 質疑応答
15:00 休憩
15:10 パネルディスカッション:「『農村に向かう若者たち』の現在」
16:10 質疑応答
16:30 終了